続・六畳間奮闘記

男には自分の世界がある。例えるなら空をかける、ひとすじの流れ星

スーパーの中心でHey!と叫んだ獣

僕は、スーパーマーケットのような業態の店でバイトをしている。時には接客、時には洗い物、加えてお惣菜コーナーでHP(半額)シールのラベリングを行い人々へ食物を恵む、いわば食品業界の神様的立場のお仕事である。そんな責任重大なお仕事(HPラベリング)をするにあたり、僕はその心構えを「ベン・トー」という作品から学んだ。これは閉店間際のスーパーで、夜な夜な高校生や大学生、いい歳をした大人から主婦まで様々な人々が、半額弁当をかけて熾烈な争奪戦を繰り広げる、熱き狼たちの闘いの記録である・・・(だいたい合ってる)。

 

さて。こんな小説を読んでいると、気になってしまうことがある。それは、現実とのギャップだ。小説では、狼たちは半額シールにより食物の恵みを与える店員を神と敬い、シール張りという神聖な行為を終えるまでは、お菓子コーナーなどでさりげなく待機している。バックへ戻った瞬間、命を懸けた熾烈な半額弁当をめぐる戦いを始めるのである。この時、彼ら彼女らは、自らのことを誇り高い狼と呼び、総菜コーナーで半額シールの張り待ちしている人々を、抑えのきかない豚と評している・・・ここである。

 

現実では、この豚と評されている行動パターンの人が圧倒的に多い。もちろん、店員である僕は快くHPラベリング対応を行う。売上は大事だし、みんなありがとうと言ってくれるから、不快感はない。だけどっ!こういう本読んでいると、ついつい心の中でおもってしまうんだ・・・この豚どもめ、と。

もちろん悪気はない、言葉は悪いが。…だけど思ってしまうのだ。半額弁当争奪戦の実在をあきらめきれない、この中途半端な半額神は。この空間には争奪前の狼がいて、僕がバックに入った瞬間に、争奪戦が始まるのだと・・・。まあ実際、精神的な駆け引きは多少あるのだろうけど。

 

とまあ、ここまでなら記事にはしなかった。本題は別にある。半額神を自負するぼくは、プライベートではまごうことなき狼である。半額シールは完全に張り終わってから取りに行くし、どん兵衛に併せるおにぎりも忘れない。そんな僕が普段使いしている店でそれは起こった。ありえない総菜コーナー通路の渋滞。明らかに目的が別にある客も足止めを食らっていた。原因は・・・半額シールを待つ、生活力の具現…主婦!(高齢)。

別に、半額シールを張っている最中に商品をとっていくのを非難するわけではない。だけど、それするならショッピングカート持ち込むなよ!と言いたい。狭い通路。そこにカート押して待ってるから、道が詰まっちゃって困る。そして気にしない、気づかない。目指す精肉コーナーは人垣の向こうにあって、おかしコーナーを迂回しないとイケそうになかった。

なんで俺が遠回りしてるんだよ!と叫びたくなる、夕飯の買い物でした。

 

ちなみに、最近の夕飯はマーボーナスか、ナス炒めか、ナスでカレー作るかしてる。体すなわちナス。過剰摂取で肌が紫になるいきおいで食べてます。目指せみずみずしい肉体艶めく肌!夏の終わりはもう近い