続・六畳間奮闘記

男には自分の世界がある。例えるなら空をかける、ひとすじの流れ星

進撃の大考察~その1 世界の構造~ ①

///以下、ネタバレを含みます。未読の方はご注意ください///

(その1 世界の構造 、 その2 巨人の真実(仮) 予定)

 

進撃の巨人」大考察 ブログ掲載にあたって

進撃の巨人の面白さの一つに、練りこまれた緻密な設定があります。伏線や人物描写は言うに及ばず、それを支える世界観(調査兵団の武器や世界の歴史など)が充実しているからこそ、あの独特な緊張感が生み出されていると思います。

そして、ここまで世界を作りこめる作者が、作中に不可解な矛盾点を残しているわけがない。記事の出発点はここでした。最終巻を読み終えた段階で残っていた疑問。それらを約一年の間、我が灰色の脳細胞にとどめておくことで、この進撃の大考察は出来上がったのです。

考察にあたり、諌山先生を初め、作品に触れるきっかけとなったアニメ制作会WIT STUDIO様、漫画を進めてくれたR氏に感謝を。

 

1. 残されし謎、深なる世界への道標

進撃の巨人は、「海」へたどり着いてから急展開を迎えます。漫画の構成としても、時系列をずらしたりしているので、少し複雑でしたね…そこがいいんですけど(笑)

中でも始祖の力「道」へのアクセスが可能になり、エレンと過去を振り返るシーンは不可解さが爆発していました。実は自分が「道」という空間をとおして未来から過去に干渉を行っていたと語り、その現場を案内される。あまりの急展開に私、エレンはひどい目にあわされすぎて頭がおかしくなってしまったのではないかと置いてけぼり感が凄かったです(笑)。内容としては、なんか分かったような、分からなかったような・・・(笑)。結局、以下のような謎が新たにちりばめられたは良いものの、作中で答えは語られなかったように思います。

  1.  グリシャに干渉して始祖の力を奪わせた目的
  2.  ダイナの巨人を操作し、ベルトルトを助けた理由
  3.  巨人を操作できるのに、ダイナの巨人から母を助けなかった理由

しかしすべては、エレンが自身の大事な人達を守るために行った行動だったはずです。読んでいるこっちが辛くなるほど、愚直でまっすぐだったエレン。そんな彼が、自分の在り方を曲げ、仲間と距離を置いてでも、実行すべきだと考えた行動。にもかかわらず、物語中で詳細は語られず、完結してなお謎として残り続ける物語の残滓たち・・・。すなわち、これらの謎は深なる世界へ至る鍵。

ヒントはすでに出ていました。エレンは、「道」を通して過去に干渉していた。ならばそこに残された謎はきっと、「タイムパラドックス」に由来するもの…なのでしょう。