続・六畳間奮闘記

男には自分の世界がある。例えるなら空をかける、ひとすじの流れ星

夜空を見上げる

 俺は夜空を見上げるのが好きだ。目が悪くなって星なんてほとんど見えなくなっているが、それでも月は見える。空が近い場所なんかだと、月に手が届きそー、とか思ったりもする。経験がある人も多いことだろう。
 だが、そこで終わるのはもったいない。俺の星夜見(この表現いいよね!前に本で見た)にはこの先がある。暗い夜空を通して、宇宙に想いを馳せるのだ・・・やってみると、これがなかなか面白い。「この光は数億年前のーー」から始まり、ブラックホールを探してみたり、「俺は今、ダークエネルギーの塊を目に収めている」と暗い夜空に満足してみたり、「エントロピーがああでこうだから、宇宙は膨張を続けていくのかなー」と思ったり、「この宇宙に比べたら、俺ってちっぽけな存在だよな~」と、ニヒルに微笑んでみたりするのだ。
 そう残念なものを見るような眼をするな。決して痛くなどはない。これは、ロマンの追求である。ロマンチズムとは、時に理解しづらいものなのである。
 
 しかし、そんな宇宙を感じる俺でも、やはり星が見えないのは寂しい。視力が1.5くらいになる目のトレーニング法が開発されることを切に願う。